ネットで買い物をしていると、どの商品にするかを決めるだけでもひと苦労だ。さらに、同じ品でも販売する店が違えば、送料、届く日、もらえるポイントが変わる。安くても、必要な日に間に合わなければ困る。
Yahoo!ショッピングが10月28日に発表した「AIベスト提案」は、そんな比較を助ける機能だ。従来の「AIおまかせ比較」を刷新し、希望条件に合う商品候補を、「価格」「お届け」「評価」「ベスト」の四つのタブで見比べられるようにする。PCのWebブラウザーとiOS・Androidアプリへ順次提供する。LINEヤフーの発表
AIが一つを推すより、何を優先するか選べる
以前のAIおまかせ比較は、価格やレビュー、デザインなどをまとめて判断し、一つの商品を薦める仕組みだった。価格も比較項目に入れていても、薦められた商品が一番お得とは限らなかったという。
新機能では、希望条件を満たす候補の中から、価格を重視した順位、到着予定を重視した順位、レビュー評価を重視した順位を切り替えられる。「ベスト」は、その三つの順位から計算する総合順位だ。
たとえば、週末に使うなら到着予定を優先したい。急がない日用品なら、価格を比べたい。AIに自分の好みを丸ごと察してもらうより、その買い物で譲れない条件を選べるほうが、納得して決めやすそうだ。
公式が挙げる例はヘアアイロン。「ストレートタイプ」「メーカー名」などの希望条件を指定し、「この条件で商品を探す」を押すと、候補と価格・配送予定・レビューが並ぶという。約10秒という案内は同社の目安で、本誌が測った時間ではない。
希望条件を満たす商品候補を、価格・お届け・評価・ベストの目的別に比較する。ベストは前三つの順位から計算する総合順位で、すべての観点で1位という意味ではない。公式説明を整理した概念図で、実際の画面や推薦結果ではない。 出典:LINEヤフー(AIベスト提案の発表、2026年10月28日)
「価格」の順位と、レジで払う金額は同じではない
ここは使う前に知っておきたい。価格の順位には、商品代金だけでなく、その人が使えるクーポン、獲得ポイント、送料も含まれる。LINEヤフーが示す計算は、商品価格-クーポン割引額-獲得ポイント+送料だ。
数字を置いてみよう。商品が1万円、使えるクーポンが千円、獲得ポイントが千円相当、送料が500円だったとする。ここでは、獲得ポイントを今回の支払いには充てないものとする。上の式では8,500円になるが、その場で支払額が8,500円になるわけではない。商品代金からクーポンを引いて送料を加えた支払額は9,500円だ。この例は仕組みを説明するための仮の数字で、実際の商品表示ではない。
人によって使えるクーポンや付くポイントが違えば、同じ候補でも順位が変わり得る。AIが「お得」と示したときは、支払う額と、後でもらうポイントを分けて見ると分かりやすい。
説明用の架空の例。この例では獲得ポイントを今回の支払いに充てず、ほかの値引きやポイント利用もないとする。商品価格10,000円、クーポン割引1,000円、送料500円なら支払額は9,500円。順位の比較では獲得ポイント1,000円相当も引き、8,500円と計算する。ポイント利用の一般ルールや、実際の商品・価格・特典・注文画面を示すものではない。 出典:LINEヤフー(価格順位の計算式、2026年10月28日)
商品ページや「お気に入り」から。表示されない端末もある
利用場所は商品詳細ページやお気に入りページ。順次提供のため、端末によっては表示されない場合がある。機能の概要はYahoo!ショッピングの特設ページからも確認できる。
今回の記事は公式発表をもとにした紹介で、推薦の質や価格情報の新しさを本誌で試したものではない。LINEヤフーも、AIの出力の正確性などは保証していない。購入前には、商品の仕様、販売する店、送料込みの支払額、ポイントやクーポンの条件、届く予定日を商品ページと注文画面で確かめたい。
買い物で欲しいのは、AIの決めた一位に従うこととは限らない。安く買いたいのか、早く受け取りたいのか。比較の面倒な部分を任せながら、自分の優先順位で選べるなら、そのほうが使う理由ははっきりする。


